polar night bird

香りの記録

1.再出発をする(プルペリア他)

グランドハイアット東京内、フェギア1833に赴いた。

一度はティンタ・ロハに出会って終わった香水の旅なので、終着点のこの店から再開することにした。
 
1回目の来店時に散々質問をして居座ったからか、店員さんと若干仲良くなった。高級感のある店内ながら気さくに説明してくれるので嬉しい。
今回は店員さんに、ティンタ・ロハと重ね付けする香水を探していると話したら、プルペリアとソンダを選んでくれた。
やはり甘めの香水をベースにする時はキリッとした香りが良いそうだった。
 
 
 
それらと他のものも併せての感想は以下。
 
 
プルペリア
→甘さは控えめ。店内をイメージしただけあって室内のウッド、柑橘の様なグリーン、煙の香りなどが目立ち、纏うタイプの香りなのだろうかと感じた。
時間が経つにつれ、これがジンなのだろうか、アルコール的な香りが強くなった。
ティンタ・ロハを超えた先の酸いも甘いも嚙み分けたクールで達観したイメージがあった。
 
 
ビブリオテッカ・デ・バベル
→深みのある煙草の香りとほろ苦いクリームブリュレのような香りがした。図書館の本というより持主の香りが染み込んだ書斎の本の様な雰囲気であった。甘いが渋く男性的な香り。
耽溺出来る香りであったが、小娘の私が付けると最後はバニラの香りしかしなくなった。
 
 
ソンダ
→風をモチーフにされている。吹き付けた直後は大気に様々なものが混じっている様で、スモーキーさが全貌を隠している。ドライな香り。
時が経つとおもむろにフルーツの気配(アグアリベイの果実だそうだ)が運ばれてきた。
 
 
ショコアトル
→ショコラというよりココアとバニラと甘い花の香り。渋さはなく、甘さも程よく気品がある。品切れ中でムエットで嗅いだのみなので後ほど改めて香りの変化を見たい。
 
 
 
 
フェギア1833の香水はどれも個性的なので、つい感想を長く書きたくなった。
しかし重ね付けの香水は今回だけでは決めかねた。勧められたプルペリアとソンダはもう少し私自身が経験を積まねば上手く香らせられない気がする。
店を出た後、暫く両手に香水を香らせた状態でホテルロビーのソファーでぼんやりしていた。
気付けば昨日から寝ておらず、ハイソサエティたちの醸し出す気怠い雰囲気と照明の薄暗さが眠気を誘った。
 
 
 
フェギア1833