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日々の糧—香り日記—

日々出会った香水について記してゆく日記。

10.広いホテル(コーパル・アズール)

アエデス デ ヴェヌスタス

ホテルニューオータニ内に、イル・プロフーモのショコラの香りの香水を扱うショップがあると聞いて行ってみる事にした。

 
田舎者なので、ニューオータニには初めて入った。
予想していた以上の規模で、その歴史を感じさせる3館に渡る広さと複雑さに少し迷ってしまった。
 
水色が鮮やかな絨毯。濃い緑色のベンチ。暖色の照明。街の様に並ぶ高級品を扱う店舗はどこかで見たことがあるようで多分なく、人はたくさんおり賑やかであるはずなのに、不思議と皆声を潜めて喋っているようにどこか遠くに感じた。
そんな夢の中のような、懐かしい雰囲気のザ・メインの通りを進んだ先にアパルトモン・アルシミストがあった。
 
そこで目当ての香水を尋ねたら、残念ながらその種類は今は置いていないようだった。もう少ししたら販売するらしい。
代わりに、気になっていたアエデス・デ・ヴェヌスタスの幾つかの香水を試香させて貰った。
特に印象深かったコーパル・アズールの所感は以下。
 
 
コーパル・アズール
→名前の通り南米の植物の樹脂が使われているらしい。何の花だったか忘れてしまったがハーブのようなさらりとした花の香りとスモーキーな香りの中にベリー系よりも乾いていてバニラよりもストイックな独特の甘い香りがする(これが樹脂の香りだそうだ)
時間が経つとスモーク感が更に出てくるがベタつかない甘さは最後まで残る。香りは深く複雑で、一度吸い込んだだけでは嗅ぎ尽くせない。厳格だが清く神秘的、儀式的な香り。
 
 
 
ニューオータニは売られている香水もまたその構造のようであった。香りが何層にも階層化しており、全貌が掴めず入り込めば入り込むほど迷ってしまう。
 
ロビーは混み合っていて、ソファーに座るまでに暫くかかった。
グランドハイアットとはまた違う賑わいを見せているけれど、ニューオータニはもしかしたら人の気配や夢が少しずつ積み重なって出来た幻で、ある時香りのように消えてしまうのではないかと思えた。
 
 
 
 
アエデス・デ・ヴェヌスタス
 
バーニーズニューヨークでも取り扱っている。