日々の糧—香り日記—

日々出会った香水について記してゆく日記。

11.新丸ビル(チュベローザ 他)

丸の内を散歩した。
始めは退職する先生への記念品を物色するという目的があったものの、どうも決まらず散歩をする事にしたのだった。
丸の内は香水を扱う店が豊富で、足が疲れるまでひとしきり楽しめた。
 
 
最初に新丸ビルに入った。
休みというのに夕方の様な人通りと雰囲気で、通路の脇にあるソファーでは時たま人がうたた寝していた。
その1Fのサンタマリア・ノヴェッラで気になっていたチュベローザとガーデニアを試香出来た。
チュベローズとガーデニアは両者が一緒に配合されている香水ばかり嗅ぐ機会があり、その香りを各々違う香水として嗅ぐことが出来たのは初めてで嬉しかった。
 
 
 
チュベローザ
→様々な香りが混ぜられているのは感じたものの、生花のような1本の香りに纏まっていた。上質な香り。それ故か肌に乗せた後はあまり香りは長く続かない。
チュベローザは中心に内にくぐもるような甘さ、フリージアは中心に外に広がる青々しさがあった。香り方は似ているが、そのコアは対照的だなあと思った。華やかに作られがちなチュベローズの方が内省的に香ったのが新鮮だった。
 
 
 
ユナイテッドアローズではパルファン・ロジーヌ・パリを扱っていた。no.2を手に入れてから、気になってはいたものの中々試す機会のなかったバレリーナno.1を試香した。
 
 
 
バレリーナno.1
→裏のない健やかで華やかな甘い香り。全体を通じてバレリーナno.2と似た調合がなされているように思えたが、それのような煙たさは無く、私の肌ではフルーティーな甘さが少し濃く重くなった。時折香るローズは全体的な甘さと少しトーンが違い、クールダウンの効果になっているように思った。
 
 
 
 
新丸ビルの後はジョー・マローンの路面店へ行った。
 
 
 

ワイルド・ブルーベル

→プッシュ直後はスズランやあまり馴染みのない花(ブルーベルの香りらしい)の爽やかな香りが広がる。爽やかさだけではなく、トップの青っぽさとはまた違った柿の清涼感のある甘さが徐々に広がって来た。柿とは言っても秋というよりは春夏のあまり暑くない日の晴れた青空を彷彿とさせる香り。強くは香らず、漂うような柔らかさがあった。
 
 
 
 
散歩の最後に丸ビルに入った。
内田百閒の東京日記に丸ビルの話があり、私はそれが大好きである。だからいつも丸ビルの楽しみは最後にとっておく。
いつものごとく、当時から駅と併せて近代の象徴であった丸ビルが忽然と消えてしまうその話を思い出しながら丸ビルに入ったら、バレンタインフェアに人が溢れていた。
新丸ビルは老人がソファーで寝入るくらいゆっくりした時間が流れていたのを思い出し、サンタマリア・ノヴェッラが懐かしく思えた。
 
 
 
 
パルファン ロジーヌ パリ
 
ジョー マローン