polar night bird

香りの記録

21.ルバーブとカシス(ルバーブ エカルラット )


年度始めの忙しさでなかなか香水の所感をまとめる時間がとれない。 

少し前の話になるのだが、
先週は六本木に行ってアルギィエンスエニャを購入する予定だった。

その予定だったのだが、ふと前に知人が教えてくれた銀座百店の小冊子にフェギア1833の記事が載っている事を思い出し、行く前にそれを手に入れようと銀座に寄り道をした。
三越でフランシス・クルジャンを試香し、資生堂でセルジュ・ルタンスに歩み寄ろうとしたが失敗し、最後にエルメスにやってきた。
そこで赤いボトルが春夏めいて綺麗なルバーブ エカルラットに出会った。
所感は以下。



オー ドゥ ルバーブ エカルラット (Eau de rhubarbe écarlate)
ルバーブのジューシーな甘さと繊維質めいた酸っぱさが広がり、奥にはピーチのようなフルーティーさがある。明快なルバーブの酸味はトップが1番よく香り、その後はルバーブを煮込んでいるように酸味は薄れてゆき甘さが残った。
エルメスのコロンだが、調香師はジャン=クロード・エレナではなくクリスティーヌ・ナジェル(ジョー マローンにてイングリッシュペアーなどの調香を担当したらしい)らしい。確かに、エレナの香水にある最奥に通る1本の川の様な、しばしばえぐみを伴う香りの流れは感じなかった。それ故にジョーマローンの様にだいたいの人が纏いやすい香り。従来のエレナのエルメスに親しんだ人には物足りないかもしれない。コロンの割には持続性があるが、やはり気付いたら消えているので沢山吹き付けたくなる。
 



ルバーブの香りはすぐに大好きな香りになった。
そういえば、前に試香したミレー エ ベルトーのstady#17もルバーブが入っていたという事を思い出した。確かに2つは甘酸っぱさが似た香りであるが、stady#17の方がハーブ寄りの香り方で甘さが控えめ、特にミドルはユニセックスな香りな気がした。どちらも捨てがたい。

去年は専らチュベローズであったが、今年はルバーブの年かもしれない。
直感的にそう思ってしまい、当初買う予定であったアルギィエン・スエニャとルバーブ エカルラットとstady#17の間で物欲が揺らぎ始めた。

確かにアルギィエン スエニャは冬向けの香りだが、カシスが苦味のある香りと混ざり合った香りもまだまだ捨てがたいのであった。
敢えて夏につけるのもまた面白い。


そんな浮ついた気分でフェギア1833に赴いたが、当たり前ながら香りに集中出来出来ず、店員さんのせっかくの説明も耳に入らなかった。
(新しいコレクションらしきものは出ていた気がするが)


ルバーブとカシス、どちらにすればいいのだろう。
間を取ってオレンジブロッサムだろうか。



オー ドゥ ルバーブ エカルラット