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日々の糧—香り日記—

日々出会った香水について記してゆく日記。

26.転換期(ポメロ パラディ 他)

日曜日、夕方に友人と会う予定だった。
 
その友人は、いつもは中々お互いの予定が合わずに会えないのだが、何かの節目になりそうな時は不思議とすぐに会える。
今回もどちらか、あるいは両者の転換期が近いのかもしれない。
 
そんな転換期という事だし、午前中に新しく買う春夏用のコロンを決めようと思っていた。
(前に書いたアロマリン社のティーは気に入り過ぎてもう使い切ってしまった)
 
当日は晴れておりあまり外を動きたくなかったので、六本木はエストネーショングランドハイアットに向かった。
 
フェギア1833では、夏を思わせる水色のリネンシャツを着た男性が店員さんと熱心に香水の話をしていた。
そのせいでだいたいの香水を試行出来なかったが、お目当ての香水の場所は何とかキープ出来た。
名前がパンフレットから見つからない所をみると、やはりこれが新作なのだろう。
所感は以下。
 
 

アグア デ ガーデニア(AQUA DE GARDENIA)

→水の流れを感じる瑞々しさにガーデニアの甘い香りが織り込まれる。ガーデニアというとやはり濃厚でそれなりの重さが出るものが多いが、これは重くなく名前通り水に浮くガーデニアを思い起こす。
しかもその水はただの水ではなくコクがあるのだが、何なのだろうかと考えていたら何と茸の香りが入っているらしい。確かに言われてみると、まさにポルチーニ茸の香りのコクであった。一旦茸と知るとガーデニアではなく暫く瑞々しい茸の香りに思えてきてしまうが、それはそれで豊かな体験だった。他にない個性的な香りだが場所を選ばず纏いやすいのではと思った。
 
 
その後、エストネーションに寄り、たまにはアトリエコロンでも嗅ごうかとカウンターに寄ったら、夏のような暑苦しい陽気にだらしなく緩んだ心に爽やかに浸透する香りが揃っていた。
その中でも気に入ったものは以下。
 
 

グランド ネロリ(Grand Neroli)

→名前の通り、トップからネロリの香りが広がるが、それと共に清涼感のある、青みのある香り(オークモスだろうか)が共に香り立つため、花というよりはややメンズ寄りのハーブグリーンの香りの印象があった。しかし少しするとネロリと共にベルガモットの果実の香りも現れてくるため甘みと瑞々しさが加わり、生花のネロリに寄った香りに変わる。
ラストはややバニラが香り始めるからか、乳液のような滑らかな香りになった。それ以降の残り香はオレンジの気配を残した酸味とウッドの落ち着きが心地よい。
 
 

ポメロ パラディ(Pomero Paradis)

→トップから甘酸っぱくはっきりとした柑橘の香り立ち。グレープフルーツよりは苦くなくオレンジよりも甘くない。そのポメロとは何なのか調べたらブンタンザボンの事らしかった。確かに大きなブンタンを剥いた時や口に入れたときの果汁の清々しさと果肉の弾けるジューシーさを思い出せるが、カシスのような香りが入っているからか忠実なブンタンの香りではなく柑橘過ぎない甘さではある。次第にオレンジ系の香りや草花の鼻に通る青さが混ざり込むために甘さの主張は落ち着き、柑橘の爽やかさが引き立ってきた。
 
 
 
アトリエコロンは冬に一通り試香しており、その時はグリーンが強すぎる様に感じたのだが、暖かくなると逆にそれが心地良く感じて目から鱗が落ちた。
六本木ヒルズから出るころには香水はこの3品のいずれかにしようと決めていた。
多分来週か再来週買いに行くだろう。
香水もまた、決まるときはすぐに決まるのだ。
 
後は来週までに私の気が変わって急に「やはりオリザ・ルイ・ルグランのミュゲの香りが良い」「やはりエルメスルバーブ エカルラットの再入荷を待つ」などと言い出さないことを祈るばかりだ。
 
しかし、それが一番難しかったりする。
 
 
 
 
 
アトリエ コロン
※公式サイトではないが、説明欄の小話が程よく腹立たしい(好きな人は好きだろうが)のでおすすめ。