polar night bird

香りの記録

ピュアディスタンス

105.冬と春の間《No.12 (Puredistance)》

着実に春になって行く。 私は冷たい外気が好きで寒い日には敢えてカフェでテラス席を選んで過ごすのだが、徐々に寒さが辛くなくなって行くことに気付いてふと寂しさを覚えた。 この日はピュアディスタンスのNo.12を付けてテラス席で過ごしていた。 外は人が…

101.含み笑いの暗闇《Rubikona(Puredistance)》

鉄の光と味が好きで、幼い頃は血にはその鉄が含まれるという事が興味深かった。 ルビーはしばしば血に例えられ、上質なルビーは『鳩の血』と言われる。以前その鳩の血を拝む機会があったのだが、光沢の奥の混濁した黒色にすら思える程深い有機的な赤い色が印…

98.黄金の銀河《GOLD(Puredistance)》

香水の良い悪い関係なく所感を記すモチベーションがどうも上がらず、もうブログを書くのをやめようかと腐っていた去年の暮れ。ポストカードと共に舞い込んできた新作GOLDが染み込んだムエットに一瞬で退屈な気分を覆されたのを今でも覚えている。 モダンで均…

93.ベースノート《Aenotus(Puredistance)》

仕事終わり、霞ヶ関から二重橋駅まで散歩をして帰る。 回り道をして銀座の高級クラブ街を通過し丸の内仲通りに出るのが毎度のルートだ。 銀座の繁華街では、これから仕事に向かう夜の女性たちの風呂上がりの蒸気感と粉っぽい化粧品と上質なムスクの香りが鼻…

77.帰る場所《アントニア(ピュアディスタンス)》

早いものでもうクリスマスが去った。 どことなく空いている電車やあわただしい空気感が独特の年末感を感じさせる。 今年の香り納めはどうしようかと考えている中、ピュアディスタンスを本格的に試香する機会に恵まれた。 (ピュアディスタンスについては末尾…