polar night bird

香りの記録

2020-01-01から1年間の記事一覧

102.コートの中の白い花《チュべルーズ・アブソリュ(ペリス モンテカルロ)》

「厚手コートやスーツの下から香らせるなら白い花の香り」 と事あるごとに繰返し説いてきたが、当の自分はコートの下から香らせるための香水は未だ購入していなかった。 実際はもう購入しており、誕生日に箱からボトルを取り出す予定になっている。 しかしそ…

101.含み笑いの暗闇《Rubikona(Puredistance)》

鉄の光と味が好きで、幼い頃は血にはその鉄が含まれるという事が興味深かった。 ルビーはしばしば血に例えられ、上質なルビーは『鳩の血』と言われる。以前その鳩の血を拝む機会があったのだが、光沢の奥の混濁した黒色にすら思える程深い有機的な赤い色が印…

100.箱庭の香り(S.C)

コロナ禍で、外出時にはマスクを手放せない日々が続いている。 マスク生活の何と辛い事。 自分の動物性の香りが不織布によって鼻の前に押しとどめられ、おまけにいつもなら無数の香りのおかげで気にならずに済んでいた食べ物の香りやきついシャンプーの香り…

99.ナエマの赤い薔薇《NAHEMA(Guerlain)》

外は麗かな春だというのに外に出にくい日が続いている。 香水に会いに外を出歩いたのはいつだっただろう。 思い返すと、確かその日の日比谷は新型コロナウイルスの影響で人通りは少なかったが、今よりは活気があった。 だがやはり人混みの力は弱く、風の強い…

98.黄金の銀河《GOLD(Puredistance)》

香水の良い悪い関係なく所感を記すモチベーションがどうも上がらず、もうブログを書くのをやめようかと腐っていた去年の暮れ。ポストカードと共に舞い込んできた新作GOLDが染み込んだムエットに一瞬で退屈な気分を覆されたのを今でも覚えている。 モダンで均…